技術者として生きるに当たり立ち塞がる壁とは?
―シンポジウムの目的、進め方などー
鈴木 浩 (メタエンジニアリング研究所)
What are the barriers for engineers to establish self?
Hiroshi Suzuki (Meta Engineering Research Institute)
はじめに
エンジニアが自己を確立し役割を果たしてゆくには、多くの壁が存在していると言われる。ではどのような壁が存在するのか、その壁を打ち破るにはどのような心がけ、仕掛けが必要なのかをこのシンポジウムでは議論したい。
メタエンジニアリング
これから必要となるエンジニアリングを、メタエンジニアリングと名付けている。すなわち、エンジニアリングを4つのプロセスにわけ、それぞれをつないで課題を解決し、社会価値を高めてゆくプロセスと定義する(図1)。
図1 メタエンジニアリングの説明図
エンジニアの前に立ち塞がる壁の問題は、MECIのうちのExploringとの関係が深い。。
存在する壁とは
壁の分類を三つの視点で見てみよう。
①壁の種類、壁を作っているのは誰か
・自分で作る壁 実際には壁がないのに自分で作ってしまう壁
・社会にある壁 社会に出たとき存在する壁、規制の壁
・組織間の壁 同じ目的を持っているはずなのに組織間で生まれる壁。省庁の壁
・部内にある壁 同じグループの中に存在する壁。性差、国籍など
・ 分野間にある壁 類似の分野の間にある壁。例、学問分野の間にある壁、文系/理系など
・標準化の壁 電圧の違いなど
②壁の意識
・心理的な壁 忖度など
・生理的な壁 好き嫌いで生じる壁
・物理的な壁 ハードの壁
③壁の存在、越える方策は
・越えられない壁 長い歴史により作られた壁
・越えると次の壁 イノベーションにおける二つの壁
・交わりを許さない壁
・見えない壁
・侵入させない壁 争いに備える壁
解決に向けての一つのヒント
図2 新しい次元の見いだし
図2のように、新しい軸を見いだすことが必要である。一つのヒントとして、例えば触媒のようなものが役に立つと思われる。こうした別の視点を持って壁を乗り越えるにはどうしたらよいであろうか。