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ドイツの再生可能エネルギー普及への取り組みと日本

ドイツの再生可能エネルギー普及への取り組みと日本

20201020
IEEJプロフェッショナル
佐藤信利

1.はじめに

ドイツは、2000年に再生可能エネルギー法(FITFeed in Tariff)制度)を成立させ、再生可能エネルギー(以下再エネ)導入目標を改定しながら、計画的に再エネの導入を進め、2018年にはドイツ全体の電力量の40%超を発電するに至っている。本講演では、ドイツの再エネ普及への国としての意欲的な取り組みについて説明した。

2.再エネ普及のポイントとドイツの取り組み

 再エネ普及するためのポイントは以下の3点であり、それに対してのドイツの取り組みは以下の通りである。

a.固定価格買取制度(FITFeed in Tariff

b.電力自由化(送電系統網の独立)

c.政府の長期的視点

2.1固定価格買取制度(FIT
 2001
年から再生可能エネルギー法(EEG9を施行した。その特徴は、導入するエネルギー量を目標値として明記していること。定期的に目標値と現状をチェックし、差異があればそれに応じて対策を立てるPlan Do Check Actionを国レベルで実施している。

2.2電力自由化
 送電系統網の独立を確保するために、連邦ネットワーク規制庁を設立し、既存の大手電力会社の影響を極力排除し、自由な競争の確立に努めている。その結果、大手電力も既存の発電事業から再エネの導入、スマートグリッド事業などへの取り組みに変化している。

2.3政府の長期展望
 ドイツは、エネルギー政策を国会で議論し国民の理解を得て、その結果を法制化し、国として推進している。FITの賦課金が大きくなっても、国民が再エネを推進する政策を支持しているのは、その成果と言える。

3.日本の状況

 日本での再エネ普及についての3ポイントについて状況を述べる。

 ポイント1のFIT制度は2012年に実施されたが、普及が十分とは言えない状況で賦課金の抑制を名目に入札制度の導入が図られ、今後の再エネの普及にブレーキをかける事態となっている。

 ポイント2の送電系統網の独立では、送電会社が大手電力会社の支配の下にあり人事等でも独立性が疑わしい状況であり、再エネの普及を担う新電力の経営が厳しい状況にある。

 ポイント3の政府の長期展望では、2050年までに温室効果ガスを実質ゼロにするとの宣言はなされたが、それを実現するための具体的な目標とプロセスが国会でもほとんど議論されていない状況であり、長期的展望に立った国のリーダーシップは感じられない。

 このままでは、2050年までに地球温暖化ガスの実質ゼロも絵に描いた餅になる可能性が大であり、世界からも相手にされない国になってしまうことを恐れる。

 

以上