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2019年9月定例会講演概要

「継電器」の語源調査とディジタルリレーの技術動向 講演録
2019年9月17日
  IEEJプロフェッショナル 臼井正司
【概要】 
・「継電器」は,電気学会雑誌第一号(明治21年1888)の表紙見返しに記載されている用語である。これは,当時日本に持ち込まれた「伝信機」(のちに「電信機」)の構成部品の一つである「Relay」の日本語訳であるが,電磁石と,ヒンジ形鉄片で構成される部品に対して「Relay」と命名したのはだれか。これに日本語訳を付けたのはだれか。との疑問を解決すべく調査した結果を報告した。IEEJプロフェッショナルの方々の新たな知見があれば,継続調査したいところである。
・保護リレーは,電力系統の安定供給を支える重要技術である。現在ディジタルリレーが主流となっているが,素子技術の発展,通信技術の発展などにより,小型化,集積化,保護性能の向上が図られている。ディジタルリレーを取り巻く技術領域,技術変遷・最新技術動向について,保護リレーシステム技術委員会の作成資料を基に紹介した。

【結論】
・Relayは,元々「(新しいものを手に入れるため)後ろに置いておく」という意味で,後ろに置いておくものは,犬から馬に変化していくとともに,置いてある場所,これを使ったシステムを示す用語として変遷してきた。
・モールスが発明した電信機では,新しい電池による信号増幅の方法が採用されており,ここに使われている電磁石とヒンジ形鉄片の組合せが「Relay」と呼ばれるようになった。
 なお,Relayの発明者は,米国ではモールス,英国ではホイットストーン,独国では,シーメンスと言われているが,命名者は不明である。(初現は1849年の米国特許公報)
・一方,日本では,律令制に基づく驛制,伝制が江戸末期には,驛馬,継馬と呼ばれるようになっており,この継馬の馬を電に変えたものが,継電器の語源となっている。
・継電器の文献初現は,明治17年戸谷勝彦氏の論文である。
・本語源調査は,国立国会図書館,東京大学図書館,東芝資料館,多久市先覚者資料館,googlebook,google patentなどの調査を基にしている。また,東芝 須賀氏,東芝 関口氏,日本電気 増井氏,電気学会 出版編修課,三菱電機 野口氏のご協力を得ている。
・ディジタルリレーは,1980年代から実使用され,現在では信号伝送技術・構成要素素子技術・最先端技術の集大成となっている。系統解析技術・系統運用技術・通信ネットワーク技術・信頼性技術・ディジタル処理技術に支えられ,発展を続けている。
・将来のディジタルリレーは,ロケーションフリー・メインテナンスフリー・リニューアルフリーに向かっている。また,新たな技術の取り込みにも積極的に取り組んでいる。
・質疑の中で,用語の使い方として,ものを示すのか,システムを示すのか,概念を示すのかが不明確で,わかりにくいとのご意見をいただきました。
・保護リレーは,設備形成に深くかかわっており,互いの最適化を図ることで,系統の安定運用に寄与している。       
以上