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エンジニアから一言-技術者の心構え

エンジニアから一言 ―技術者の心構え―

木下 繁則(IEEJ プロフェショナル)

1.まえがき 
 シニアの人達は色々な人達、師匠と出会い、色々な経験を積んできている。執者も同じような経験を積んできた。ここでは、その経験を元にこれから社会人として活躍する若い人たちが自分の仕事をなすにあたっての指針の参考の一つになればとの思いから纏めたものである。

2.仕事の心構えの基本
 仕事の心構えの基本」は「当たり前のことを当たり前にする」ことに尽きる。この「当たり前のことを当たり前にする」ことは言うことは簡単だが、実行するとなると難しい。
 人と仕事の関わり方で仕事を上手に進めるためには4つの原則がある。その原則とは「どれを早く」、「どれが最後で良いのか」の仕事の順序である。仕事の順序4原則を次に示す。
 1) 人に頼むことを最優先にする。
 2) 人から頼まれたことを次にする。
 3) 自分だけの仕事は最後にする。
 4) 仕事はいつも前倒しし、後ろ倒しにはしない。
 この他に「相手に約束したことは必ず守る」、「相手の立場になって行動する」ことも大事である。

3.組織と個人
 仕事をうまくこなせるには、まず自分そのものを見直すのは勿論、組織の中の自分について良く知ることが重要である。組織(会社)は適切な時期やタイミングで色々な形に変化してゆく。組織の中の個人(自分)は、この変化・成長に対応して行かねばならない。組織は、
 1) 数人のグループの集合体である。
 2) 成果はこのグループの良否で決まる。
 3) グループの良否は数人の個人に大きく左右される。
ので、グループ員の行動としては、“挨拶は積極的に、“情報は共有し”、“情報はビジュアルに”、そして“ 聞き上手になる”よう心掛けることが大切である。

4.研究者、技術者の心構え
 新しい原理に基づく技術や商品はそれぞれの人達によって一般社会に広がって行く。この過程で科学者、研究者および技術者の役割があり、科学者は原理・原則の発見、研究者は原理・原則の具現化と工業化、技術者は製品化、事業化である。
 研究者、技術者の心構えとしては、“現状に満足せず、常に問題意識を持ち”、 “ コスト、時間のことは忘れずに”、“Product outには工夫し”、“技術開発競争に勝つ”、“ 研究開発には教科書・道具はない”の気概を持つことが大切である。

5.志を持つ
 職場(企業)で自分の目標を掲げ、それに向かってまい進することが大切である。その目標に向かってまい進する過程で大切なことは、先ず、グループで一番を目指し、次に組織の中で一番((例えば、係の中で一番、課の中で一番、会社で一番)を目指す。究極としては業界で、日本で、世界で一流になることを目指す。

6.個人技量の向上
 人間社会は相対的な社会であり、自分の志を実現するために最も重要なことは個人の技量を高めることである。個人技量向上のためには、1) 探究心を常に持つ、2) 語学に励む、3) クレームへの積極的に取り組む、4)周辺技術を良く知る、7) 特許出願に心がける、ことが大切である。

7.まとめ・・・仕事の心構え10ケ条
 上述したことを「仕事の心構え10ケ条」として下に纏めた。仕事や研究を進める上で壁に突き当たることも多々ある。このような時に、この10ケ条がこれからの仕事や研究を進める上で役立つことを期待したい。

「仕事の心構え10ケ条」
1. 仕事には順番がある・・・人に頼む仕事まず先に、次に頼まれた仕事、自分だけの仕事は一番後に。仕事は常に前倒しに。
2. 自分自身を良く知れ。
3. 会社(企業)の技術者・研究者として自覚せよ。
4. 常に挑戦する精神、問題意識をもて。
5. コスト意識をわすれるな。
6. 原理・原則から出発せよ。
7. 企業(会社)で一番、業界で一流、日本で一流、世界で一流を目指せ。
8. 語学は怠るな。
9. クレーム処理には積極的に参加せよ。
10. 特許、論文を出せ。