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社会へ巣立つに当っての期待と不安1

社会に巣立つにあたっての期待と不安
(1)自分の技術は社会にどう活用できるのか

高橋 さくら* (お茶の水女子大学 理工学副専攻リーディング大学院)

How can my knowledge be applied to society?
Sakura Takahashi (Ochanomizu University)
 
はじめに
 理工学副専攻リーディング大学院について、簡単に説明する。本学のリーディング大学院とは、「女性人材が不足している理工系分野において、物理・数学・情報を基盤的な素養として持ち、そのため社会の様態やニーズの変化に即応でき、必要なイノベーションを創出し続けることのできる高い柔軟性をもった、グローバルに活躍できる女性人材の養成」を目的とした副専攻のプログラムである。
図1 イノベーション創成基盤の模式図
このプログラムの中で、最も大きなプロジェクトは次の2つである。
(1) PBTS (Project Based Team Study)
 異なる背景をもつ学生がチームを作って自主課題を推進していくというプロ
 ジェクト。
 自分の主専攻の研究とはべつに、グループでの副専攻の研究をすすめる。
(2) グローバル研修
 国内外の研究機関・企業・学外の大学などで長期インターンシップを行い、
 PBTS研究を推進するというプロジェクト。
このような副専攻のプログラムと主専攻の研究を通して自身が得たいと考えている技術・知識と、それを用いて社会にどう活用したいのかについて考えた後、その際壁になりうるものはどういうものがあるのかについて考察していく。

修士2年間で身に着けたい知識・技術
 主専攻と副専攻の研究を通して、身に着けたいと考えている知識・技術についてまとめる。
①主専攻:「超大質量ブラックホールの形成」
 ・C言語のプログラミング知識
 ・物理、数学の基礎知識
 ・宇宙物理学の基礎知識、最近の研究
 ・物理の数値計算を行う技術
②副専攻:「粉体による、食器上の油の吸着」
 ・粉体、流体物理の基礎知識
 ・簡単な化学実験の方法
 ・実験データの処理、解析の技術
などが考えられるだろう。

社会に出るにあたっての不安(私が想定する壁)
 社会に出るにあたって、就職活動としての短期のインターンシップの経験や、先輩や同期から聞いた話をもとに私が想定する壁についてまとめる。
①応用科学と基礎科学の間の壁
 同じ宇宙分野のなかでも、観測や実験分野の研究と理論の研究で、壁が
 あるように感じる。これからは、どちらの知識も有する人材が必要になって
 くると考えられる。
②社会のニーズと大学の研究の間の壁
 実社会の問題解決という貢献が社会では求められていると感じるが、大学での研究は、自身の興味・関心に基づいており、社会との距離をかんじる。
③ジェンダーの壁
 国内では女性の研究者が少ない印象があるが、国外に出ると女性で活躍して
 いる研究者はたくさんいる。
 実際にジェンダーの壁を感じて困ったことはないが、今後何かしらの壁に
 あたるのではないかと感じている。
④グローバル化の壁
 グローバル化が進んでいく中で壁になるのは、言語と文化の違いによるもの
 だろう。
 しかし、それら個人の努力で乗り越えられる「壁」なのではないかと考えて
 いる。