ヘッダーieejprologo
 

夢を語ろう

 夢の実現に向けて-体験を語る-

 

柴﨑一郎(公益財団法人 野口研究所、IEEJプロフェッショナル)

 A story and dreams of a researcherwho developed high sensitivity thin film Hall sensors

Ichiro Shibasaki (TheNoguchi Institute & IEEJ professional)


IEEJプロフェッショナルメンバーは、戦後の復興期、追い付け追い越せの初期高度成長期に教育を受け、社会に出て活躍した世代であり、団塊の世代ともいわれたメンバーも多い。日本経済の更なる高度成長を目指して、企業、学会、教育界などで活躍した。ニクソンショック、第一次オイルショック、更にバブル経済の崩壊などの多彩な経済の変化、イノベーションによる経済復興や社会変動等を体験したが、電気・電子、情報技術を駆使し、現在のインターネット社会につながる発展を支えた会員である。

月一回、市ヶ谷の電気学会に集まるIEEJプロの例会は、メンバーの体験や興味ある話を聞き、議論する貴重な機会である。理科教育の問題、社会を支えた研究や技術開発、普段はあまり耳にしない電力技術や鉄道技術、更に、電気技術の歴史等、過去、現在、未来に亘る様々な話題が講演として語られる。会の後は、有志が夕食を共にし、人生体験から哲学まで、幅広く、また自由に語り合う。若かりし頃の志や夢、自ら開発した技術への思い、反省、数々のバリヤーを乗り越えた体験や課題、問題、現場からの声など豊富であり、若い電気学会会員諸氏が未来に向けて活躍するために有益な情報も多い。IEEJプロの話を聞き、議論し、夢や志を交換する機会が電気学会全国大会のIEEJプロ会が主催するシンポジウムである。

二十世紀中葉、1947年、ベル研究所の3人の物理学者、ウイリアム、ショックレー、ジョン、バーディーン、ウオルター、ブラッテンがトランジスタを発明した。20世紀初頭から本格発展した量子力学、それを応用した固体物理、半導体物理工学を基礎になった。この発明は、日本における半導体技術を中心に据えた電気・電子・情報産業発展の核となった。この時代、貧しかったが、日本社会は、大きく舵を切り、高度成長を目指した。新たな科学技術を身に着けIEEJプロのメンバーは、学会、企業、教育界などで活躍をスタートした。豊かな社会と生活の利便性を目指し、「軽、薄、短、小」の合言葉で、科学を基礎に技術開発に熱中した。TV,VTR,PC、の実用化、普及が実現し、電気、電子・情報産業は経済をけん引するリーダーとなった。 同じ物を大量に低コストで造るという日本型の物つくりが成功し、Made in Japanが世界に普及した。やれば皆うまくいった時代と思われた。中央研究所が多くの会社に設立され、「基礎研究と将来の夢」が大いに語られた。現在の電子、情報・インターネット社会を支える重要な技術が日本発の知恵として生まれ発信された。技術者・科学者を志した若者の活躍があり、IEEJプロはその中心にいた。幸せの時代と言えよう。

しかし、バブルの崩壊は、こうした時代の終焉と有限な地球環境と持続的な発展を前提に、新たな産業の種になる仕事を創る知恵を必要とする時代への変化という大きな質的転換を強要した。何より厳しい問題は、若者や技術者の夢を打ち砕いたことである。

決して豊かではなかったが、IEEJプロの我々が若かりし頃、科学を創る夢、技術を創る夢、電気の技術により豊かで楽しい生活の夢、企業で、大学で、学会で大いに議論し、夢中で夢を語りあい、夢を実現する努力をした。そうした中から、イノベーションが生まれ、やがて大きな技術に育った。

「皆さん夢を創り、夢を大いに語る、議論しよう。科学を創り、科学を応用、未来を拓くカギです」

私の夢を語りますので!!!