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夢を語ろう

2018 年3 月15 日 電気学会全国大会シンポジウム H1
「夢を語ろう - 新電気文明社会の将来」 
大島研究所 大島正明

電気文明,過去から現在
・1800 年 イタリア人アレッサンドロ ボルタがガルバニ電池の実験結果を公にした。
・1827 年 ドイツ人ゲオルグ ジモン オームがオームの法則を発表した。
・1831 年 イングランド人マイケル ファラデーが電磁誘導の法則を発見した。
・1832 年 イングランド人ウィリアム スタージャンが整流子を用いた直流電動機を発明した。
・1837 年 ウィリアム スタージャンが友人と共同で,London Electrical Society を設立した。
・1865 年 スコットランド人ジェームス クラーク マクスウェルが電磁界に関する論文を英王立学会誌に発表した。
・1867 年 ドイツ人ヴェルナー フォン ジーメンスによる直流発電機に関する論文がベルリン科学アカデミー誌に掲載された。
・1879 年 米国人トーマス アルバ エジソンが実用的な白熱電球及びその製造法を発明した。
・1881 年 エジソンは,モルガン財閥からの資金援助を受けてエジソン電灯会社を設立した。
・1882 年 エジソン電灯会社がニューヨークウォール街で電気の販売を始めた。直流供給。
・1884 年 エジソン,テスラ,トムソン,ヒューストン,ウェストンら事業家が集まり,American Institute of Electrical Engineers (AIEE)を設立した。
・1887 年 東京電灯が日本橋茅場町地区で電気の販売を開始した。直流供給。
・1888 年 米国バージニア州リッチモンド市内で架線集電式路面電車が営業を開始した。
・1888 年 逓信省が中心となって電気学会が設立された。初代会長,榎本武揚逓信大臣。
・1888 年 米国人ニコラ テスラが多相交流と変圧器に関する論文をAIEE 誌に発表した。
・1889 年 大阪電灯が大阪府西区で電気の販売を開始した。単相交流供給。
・1891 年 AEG 社のドイツ人ミカエル ドブロボルスキーが三相交流送電を実証した。
・1892 年 米国でGeneral Electric Co. (GE)が設立された。
・1893 年 米国人アーサー ケネリーが複素数を用いたインピーダンスの概念を発表した。
・1894 年 岩垂邦彦がGE 社の販売代理権を獲得して,大阪に岩垂電気商会を設立した。
・1896 年 東京電灯が浅草火力発電所を建設し,AEG 社から購入した発電機によって50 Hz 交流の供給を開始した。
・1896 年 米国ナイアガラ水力発電所からバッファロー市まで,三相交流送電が開始された。
・1897 年 大阪電灯がGE から発電機を購入し,60 Hz 交流の供給を開始した。
・1897 年 イギリス人ジョセフ ジョン トムソンがエジソン効果における陰極線が負電荷微粒子の流れであることを発見した。この微粒子は後日,別人によって電子と命名された。
・1901 年 イタリア人グリエルモ マルコーニがカナダ-イギリス間3500 km の大西洋横断無線電信実験に成功した。
・1904 年 イギリス人ジョン フリミングが整流・検波作用をもつ二極管を発明した。
・1906 年 米国人リー ド フォレストが増幅作用をもつ三極管を発明した。
・1907 年 東京電灯駒橋水力発電所が運転開始した。早稲田までの76 km を55 kV 三相で送電。
・1912 年 米国で無線・電子技術者が集まり,Institute of Radio Engineers (IRE)を設立した。
・1917 年 逓信省が主導して電信電話学会が設立された。
・1946 年 米国ペンシルヴァニア大学は,陸軍弾道研究室からの資金によって開発した真空管式ディジタルコンピュータENIAC を一般公開した。
・1947 年 米国ベル研究所のウィリアム ショックレー,ジョン バーディーン,ウォルター ブラッテンの3 人がトランジスタを発明した。発表は,翌年。
・1954 年 米国TI 社がシリコンを用いたバイポーラトランジスタを発表した。


2006 年2 月の電気学会公開シンポジウム
① ジャーナリストによって「学習指導要領の軽量化,理科が苦手な小学校教員,少子化に伴う甘い受験」などの問題が指摘された。
② 大学院教員から「電気は対象,業界,マインドが古く見える,今では電気はどこにでもあるのに見えない,問題は大人たちにある」ことなどが指摘された。
③ 電機メーカ技術者から「学生・父母層へのアピール,日本はエネルギーと食料の自給率が低い,技術や市場におけるフロンティアの意義」などが指摘された。
④ 自動車メーカ技術者から「ものづくりは人づくり,人と組織(チーム)で夢を実現,電気電子工学出身者の大発展時代到来」などが指摘された。

若者が夢をもち,実現できる社会を目指して

社会に出ることは,生計を立てることでもある。夢の追求は必ずしも生計を保証するものではないので,夢追求と生計との折り合いをつける能力が求められることをまず,指摘しておきたい。
年長者の経験を元に若者が心掛けるとよいと考えることは,以下のとおり。
① 自分が得意とする分野をもつ。できるだけ,在学中が望ましい。
② チームワーク(他者とのコラボ)を得意とする。現代では,一人で完結できる仕事は少ない。
③ 自分に向いたフロンティアを発見する。
④ 日本が,又は世界が,即ち人類が抱える困難な状況を改善することに取り組む。困難ではあるが,フロンティアである。
⑤ 時間とプロセスとを大切にする。夢が大きい程,実現は簡単ではない。実現は,1 つ1 つの課題解決を積み上げた結果となるので,途中の解決プロセスを大切にしてゆく必要がある。
時間は有限で貴重である。