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2017年セミナー講演会講演要旨

◇製品輸出における電気安全要求-IEC 61010-1を中心に

-(上野武司)東京都立産業技術研究センター

 

1.東京都立産業技術研究センターの中小企業向けCEマーキング取得支援

 都内中小企業において、製品輸出を検討している企業は年々増加している。特に、欧州への輸出を検討している企業が多く、CEマーキング自己宣言の要望が高い。そこで東京都立産業技術研究センターにおいても、これらの海外展開の支援を行っている。その中心として活動しているのが、海外規制や国際規格に関する相談や情報提供を実施する広域首都圏輸出製品技術支援センター(MTEP)、国際規格に則った試験を実施する多摩テクノプラザ電子・機械グループである。特にMTEPは、1101市が参加(東京都、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県、横浜市)しており、中小企業向けに、①専門相談員による技術相談、②国際規格適合設計支援、③実地技術支援/オーダーメードセミナー、④規格適合性評価試験サービス、⑤海外規格情報の閲覧サービス、⑥国際規格・海外規格対応セミナー等の支援を実施している。

 

2.製品安全の考え方とIEC 61010-1について

製品安全の考え方としては、「人は、間違える。」(作業経験にかかわらず安全確保)、「機械は、故障する。」(現場調整/保守時も安全確保)がある。また、低電圧指令の適合宣言書においては、「この適合宣言書は製造業者のみの責任のもとで発行される」旨の記述がある。そのため、製造業者は製品のリスクを許容できるまで低減することが求められている。そのため、リスクアセスメントを実施する必要がある。ただし、このリスクの同定は、単に開発部門、品質管理部門だけではなく、全社的に活動することが重要である。このリスクアセスメント行ってから、①本質的安全設計、②安全防護・付加保護方策、③残留リスクについて使用上の情報提供を行う。

 IEC 61010-1は、『計測、制御および試験所で使用するための電気機器に関する安全要求事項』に関する低電圧指令の整合規格である。本規格では、①感電又は電気的やけど、②機械的なハザード、③機器からの火の燃え広がり、過度の温度、④流体及び流体圧の影響、⑤レーザを含む放射,音圧及び超音波圧の影響、⑥漏えい(洩)ガス,爆発及び爆縮、⑦合理的に予見可能な誤使用及び人間工学的要素に起因するハザード、⑧上記にはないハザード又は周囲環境に対するリスクアセスメント等、あらゆるハザードが漏れなく定義されている。それらの要求事項を満たしているかを確認するため、入力定格測定、耐電圧試験、漏れ電流試験、温度上昇試験、保護導通試験等を実施する。

 

3.サンプルを用いたIEC 61010-1適合の紹介

              不適合品                                  適合品
                       図 IEC 61010-1適合、不適合のサンプル

 IEC 61010-1
に対して適合、不適合のサンプルをそれぞれ紹介し、数箇所の不適合箇所について説明した。配線の色、アース端子の処理、スイッチ等の違いを中心に説明した。