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定例会講演概要


再生可能エネルギーと次世代グリッドの技術動向

IEEJプロフェッショナル 八坂 保弘

2017年11月16日講演

1.背景
 地球温暖化により気候変動が大きくなることが予想され、その対策として再生可能エネルギー導入は不可欠であり、それに関連する太陽光発電、風力発電、それによる電力変動に対応する電力系統技術の動向を概説する。
2.風力発電と大型風車技術
 最近では、陸上のみならず、洋上風力が技術開発されている。福島沖などで実証試験中であるが、強風に強いと言われる大型のダウンウィンド型風車の開発も進められており、5.2MWのものが現在実証試験中である。
3.太陽光発電とメガソーラ技術
 FIT(固定買取制度)の効果で、太陽光発電が飛躍的に導入されてきているが、それにより価格も低下してきている。メガソーラでは、今後、長期間のメンテナンスが重要であり、パネル単位の高精度異常監視技術などが開発されている。
4.次世代送電網について
 次世代グリッドはVRE(変動する再生可能エネルギー)の大量導入による電力変動(ダックカーブなどの長周期変動や短周期変動)への対応が重要になる。そのためには電力貯蔵技術が重要であり、揚水発電所では揚水時にも負荷を制御できる可変速発電技術の導入拡大が期待される。また、蓄電池技術も進歩しており、閉じたグリッドの中で、蓄電池システムを使って電力バランスを調整する技術の実証試験が各所で実施されている。
5.電力系統の安定化
 VREの大量導入で、広域電力系統の安定化の問題も出てくるが、米国等では系統の各点の状態を時間同期して計測できるPMU(Phasor Measurement Unit)の導入が加速し、その応用が期待されている。これらは大量データとなることから、Big Dataを処理して、電力系統の安定制御を支援するための技術も開発されている。
6.直流送電
 直流送電は、電力系統が広域に連系することが、電力の安定供給やコスト低減にも効果があるといわれており、今後、導入が加速することが期待される。現状、日本では他励式の導入が多いが、今後は自励式が増加することが予想される。
7.電力システム改革と将来動向
 電力システム改革は日本で着々と進んでいるが、社会の目的である、電気料金上昇の抑制、温暖化ガス低減、安定供給を評価した上で、制度設計をしていくべきである。技術も考慮した社会的なシミュレーション等を使ったIntegration Studyが重要である。
8.国際標準化について
 以上の新しい技術開発では、常に国際標準化を視野に入れて、グローバルな産業競争力を確保するよう努力することが必要である。例えば、電力用蓄電システム(TC120)の国際標準化では、日本が主導して進めている。
                                                                 以上―