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定例会講演概要



 

夢のある研究を目指そう

 柳父悟(西安交通大学)

2018126日講演

2010年頃東京電機大学に務めていた時、中華人民共和国(以下中国)から来る留学生が大変に多くなってきた。中国は同世代の人口が日本の約10倍以上であったので今後このままでは大変なことになると思った。東京電機大学を定年になった時、西安交通大学に職を求め中国人の今後の傾向を勉強しようと思った。

先ず日本の国民にとって中国人は何時も値引き交渉をする、あるいは約束を守らない、戦争映画は中国では常にやって居り旧日本人が敵になり日本敵視だとの話になる、また中国の演劇では常に日本が悪者であるなど聞いている。しかしこれは日本人と中国人のやり方、見解の相違である。決して中国人は日本人を恨んでいないことは明確である。

中国は大変な勢いで成長しており米国を明らかに意識している。また彼らの英語力が大変優れていることが理解できた。また共産党政権は我々庶民には全く影響がないことを理解できた。成長は人真似ではなく、伸びていることも分かったが、オリジナリテイのあるものではないことも分かった。彼らがこのまま成長することは理解でき現実にやっている。現実的には最近のスモッグは大変少なくなってきたと言われている。種々の検討を行った限りこのまま中国は日本を追い越すと思った。これに対して日本が対抗できるには今まで通りの成長をすることと理系のノーベル賞を取得することが必要であることが良く分かった。理系のノーベル賞を取ることが必要なことは儒教の為である。儒教は我々が理解できる領域を遥かに超えている。日本も朱子学として導入されているが徳川家康が科挙(国家試験)武士に限ったことで救われている。その意味では我々は深い儒教は理解できていないし、安易に儒教を理解しているとは言えない。詳しいことは講演で述べたが日本人が対抗できるのは理系のノーベル賞級の表彰であることが理解できる。理系のノーベル賞級の表彰は既に日本人が頑張っていることは事実であるが重要なことは理系のノーベル賞級の表彰を取るべき大学が取っていないことが大変重要である。これを努力して取る方向にすることが大変重要である。これができるのは極一部の大学であるがこれをなくしては中国人には対抗できないことを認識すべきである。私は医学系のノーベル賞級の研究で差し迫った事象(例えば癌あるいは寿命)が重要であると思っている。またここでは触れないが英語力の優れていることは中国人の特徴であるがこれはここでは触れない。この現象は日本語特有であると思っている。

次に感ずることは自前の研究活動が国際的でないのにあれこれ言う人が多すぎることである。先ず一番大切なことは夢(ゆめ、ユメ)のある研究をすることである。これに関して電力工学をやることに日本の大学は大変遅れていると思う。これはメーカや電力会社の責任でもあると思うが、かってのように自分たちだけでなく夢のある教育が大切である。私のやっている遮断器は現在多端子網の直流送電技術に応用されている。現在遮断器はパッフー遮断器ではなくて、脱SF6遮断器の開発で優れた研究をやることが大切である。また50Hz サイクル遮断器でなく34msで急速遮断できるものを目指している。我々は超電導技術も使いこれを目指している。今後は世界中このようなことをやる意味がある。多端子網直流送電は世界的にやるべきことである。このような研究(工学系の研究)を大学は目指すべきである。

最後に日本人は活きて行くべきであり、中国人、あるいは欧米の人たちも生きて行くべきである。これを忘れて一国だけが伸びるようなことはできるだけ止め、世界共通の発展を遂げることが大切である。世界の人たちがそれぞれの立場のなかで一生懸命できることが必要である。