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定例会講演概要


東日本大震災以降の送電系統整備状況について

 

小澤明夫(日本リーテック株式会社)

 

2017928日講演

 

東日本大震災以前の電力系統整備は、電力小売自由化に伴う託送料の低減対策や中越、中越沖地震などの災害対応を主要因とする投資抑制により送電線工事量が急激、大幅に縮小されていた。電線メーカーや金具メーカーは合弁会社設立、鉄塔メーカーもリストラを実施する中、東京電力向け送電工事会社も合弁会社設立により急減する工事量に対応して縮小均衡により施工力をつないできた。(重電メーカーも同様であるが、本講演の範疇外)

東日本大震災以前の電力系統は個々電力会社内で完結しており、電力会社間の連系は緩やかな(弱い)ものであった。さらに、再生可能エネルギーも大規模な導入も少なく特別高圧送電線によるアクセス線新設は少なかった。しかし、東日本大震災を契機として

・再生可能エネルギーの大量導入に伴う系統整備

・50ヘルツと60ヘルツ間の東西連系の強化

 が必要となった。

   再生可能エネルギーの大量導入により、大規模な太陽光、風力の特別高圧によるアクセス線の建設が盛んに行われている。これにより、各電力会社では老朽化した送電線の更新を抑制するほどの業務量となっている。中でも東北電力を例にあげれば、再生可能エネルギーの大量導入により現行の系統規模では受け入れ量を大幅に超えて、東北電力全体の最大電力にも匹敵するほどの接続申し込みがある。そこで、隣接する東京電力との50万ボルト連系線を約160km新設する計画を進めている。さらに秋田と仙台を結ぶ50万ボルト送電線の新設も計画している。

   東西連系については、50ヘルツと60ヘルツ間の電力融通を強化する目的で90万kWの容量で200kV飛騨信濃直流幹線の建設が始まっている。さらに既存の周波数変換所の90万kW増強のため、275kV送電線の建替え(約130km)及び新設(約15km)が準備に入っている。

このようなニーズに対応する送電線工事業界の現状は、先に述べた縮小均衡から抜け出せずにおり、施工力が全然足りない情況にある。

 

まとめ

・東日本大震災以降、送電系統構成が変化

・再生可能エネルギーの大量導入対応に追われている。

・送電工事業界では、増大する業務の対応に課題が多い。(高齢化、廃業)

・約25万基の送電線の維持、更新が膨大な業務量、投資になる。

以上