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2015年セミナー講演会講演要旨

講演概要
 

「太陽光発電を含む分散電源の系統連系技術の現状と動向」


 国立研究開発法人 産業技術総合研究所/福島再生可能エネルギー研究所

 小西博雄

 

 東日本大震災以降、自然エネルギーへの関心と政府の自然エネルギー買い取り制度(FIT)の施策により、分散電源として再生可能エネルギー、特に発電までの立ち上げの期間が短い太陽光発電システムの導入が進展している。これら分散電源の系統連系技術の現状と動向及び課題について概説した。

[目次]
1. 我国のエネルギー政策と現状
2. 太陽光発電を含む分散電源の現状と導入計画
3. 分散電源の系統連系技術と課題
  電圧変動抑制/高調波電流抑制/系統事故時の運転継続  /出力制御/EMC
4. NEDO北杜大規模太陽光発電プロジェクトにおける系統連系技術の取組と結果
5. 福島再生可能エネルギー/エネルギーネットワークチームの取組
6. まとめ

[主な内容]
(1) エネルギー政策は「S+3E」を基本とし、供給サイドでは、「化石燃料」、「原子

力」に加え、「再生可能 エネルギー」を新たな柱とし、需要サイドでは「省エネルギー」の取組を強化。

(2) 2012年度における我が国の全発電エネルギーに占める再生可能エネルギーは約
10%。多くが水力で、再生可能エネルギーは残り1.6%。東日本大震災の後、日本のエネルギー自給率は20%から4%に低下。他の先進国に比較してより低い。

(3) 2012年度における再生可能エネルギー(水力は1万kW以下)の累積設備容量は1,700
万kWに達している。特に近年太陽光と風力が増加。
太陽光の政府目標(PV2030+)は
<導入目標> 2020年までに2005年比で20倍 (28GW)、2030年には40倍(53GW)に引上げ。
<コスト低減目標> 3~5年後にシステム価格を現状の半分とする。

(4) 2012年度末における太陽光発電設備の設置容量は約12GWで、その60%以上が住
宅用(10kW未満)として設置されている。一方、2012年7月のFIT施行の後、2MW以上では設備認定が10GWを超えるにもかかわらず、運転開始比率が2%程度と極めて低い状況にある。

(5) 系統連系要件としてFRT(Fault Ride-through)要件,出力制御ルールと機器の
設置等が省令として改正された。
 
(6) NEDO北杜プロジェクトではパワーコンディショナー(PCS)の無効電力制御によ
る電圧変動抑制、高調波抑制、系統事故時の運転継続(FRT)の系統連系技術を検証した。

(7) 福島再生可能エネルギー研究所(FREA)に於いて大容量PCS の国際認証が行える認
証試験設備を構築中。開所予定は2016年4月1日。

(8) 太陽光発電の普及拡大にはシステムの低コスト化や高効率化は勿論のこと、
日射量予測による発電量予測と適切な計画運転、既設電源との協調運転、出力変動抑制と安定化、低コスト大容量蓄電池の開発、ICT技術の活用等がある。