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2015年セミナー講演会講演要旨

所・航空機環境をシミュレートする減圧環境試験

        東京都立産業技術研究センター実証試験セクター 三上 和正

■減圧環境試験の必要性
・中小企業による航空機産業への参入に伴い、航空機搭載機器の開発や評価には不可欠な
試験である。
・携帯機器等の情報端末を含む電子機器の利用が高所都市にも拡大し、信頼性の確認が求
められている。
・航空機による物流が増加し、貨物室等の気圧変化や温度変化のシミュレーションが必要
となっている。
・IEC等の国際規格により、減圧環境及び温度複合環境試験が規定されている。
■減圧環境と減圧恒温槽の概要
(1)減圧環境と高度
 電子機器や機構部品、構成材料等は、低温や高温あるいは減圧環境での稼働や保存により、物理的な障害となることが想定される。海抜高度と気圧の関係を表1に示した。高所環境においては、気圧低下と共に気温も低下し、特に航空機は-40℃以下にもなる空間を飛行している。また近年、高所都市等(例:ラパス「海抜4,071m」)でも、情報機器等の各種電子機器が多用されている。
(2)減圧環境による影響例
 ①常圧封止した機器からのガスや液体の漏れ(液晶表示の品位低下、電解コンデンサ、
  etc)
 ②高電圧回路の機能低下や絶縁不良
 (高圧トランスの発煙、ストロボの発光不良、放電異常、etc)
 ③放熱効率の減少、冷却効果の低下(CPUの冷却不良、パワーデバイスの温度上昇、局部
  加熱、etc)
 ④材料の性質変化(可塑剤の気化、潤滑剤の蒸発、etc)
(3)減圧恒温槽の概要
 都産技研の実証試験セクターに、内寸約1m角の減圧恒温槽を2台配置し、航空機等で受ける急な温度変化や圧力ストレスを模擬でき、各種の温度・減圧環境における機器・部品の動作確認や耐久性の評価が可能である。
■減圧環境試験の種類と対応規格(一例)
(1) 航空機搭載機器:RTCA/DO-160D,(JIS W 0812)
 ①飛行中冷却喪失試験、②高度試験(57.2kPa~4.4kPa)、③減圧試験(最高飛行高度相当
  する圧力)
(2) 減圧試験方法:IEC60068-2-13(JIS C60068-2-13)、(気圧 1kPa~標準大気圧)
(3) 低温/高温・減圧複合試験方法: IEC60068-2-40/41(同JIS C)、(温度-55~+155℃、
  気圧 4kPa~70kPa)
(4) 温度高度試験:MIL-STD-810G-手法504、(温度-62~+150℃、気圧 1.1kPa~93.3kPa)
■減圧環境試験の料金
①始めの2時間:\14,059(\8,124)、②2時間までごとに:\6,498(\4,344)。 ※()は、中小企業料金を示す。