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定例会講演

メタエンジニアリングが拓くスマートグリッドビジネス

講演者:日本経済大学メタエンジニアリング研究所長  鈴木浩

 

開催日:平成27428

共催:日本工学アカデミー「根本的エンジニアリング普及啓発プロジェクト」

 

これからの社会の一層の発展にはイノベーションが必須であることは論を俟たないが、実際にイノベーションを開花させるのは必ずしも容易ではない。

このため、講演者の鈴木氏はこのイノベーションをシステム的に支援する視点として「メタエンジニアリング」を提唱し活動を進めており、今回はこの概念の意味合い並びにこの概念を基にしたスマートグリッドビジネスでの具体例について講演を戴いた。

シュンペーターによればイノベーションとは、①創造的活動による新製品の開発、②新生産方式の導入、③新マーケットの開拓、④新たな資源の獲得、⑤組織の改革であり、いうなれば既存の価値を破壊して新しい価値を創造していくことで、技術革新というよりも新しい結合により実現させるものとしている。

鈴木氏はこの新しい結合を見出す手法としてメタエンジニアリングのMECIプロセスを回すことの重要性を指摘している。即ち

Mining(地域社会に潜在する課題やニーズの発見・定義)Exploring(解決に必要な知と感性領域の俯瞰的な特定)Converging(技術と学術に基づく領域の結合・融合による解決案の創出)→Implementing(解決案の社会への実装による新たな社会的価値の創出) である。

特にニーズの発見ではWhatHowの背後にあるWhyの重要性を指摘している。

また、スマートグリッドビジネスについては、従来のハードウェアに対し近年発展が著しいソフトウェアを融合することにより多くの価値を創造することができる時代となり、その実装する規模も従来はハードとソフトがほぼ半分ずつであったものから、ソフトをハードの3倍くらいにすることによりスマートが実現できるとしている。

電力システムでソフトパワーが拡大していく例として、オブジェクト指向に基づくネットワーク資産管理、リアルタイムの電力系統各所の位相計測による広域(安定)状態の可視化等の紹介もあった。

その他、物語の各要素を組み替えることによる違った物語の創出(シミュラークル)等の新たな組み合わせの手法や、スマートメータにより実現できる新機能等興味深い話もあり、質疑応答も活発に行われて盛会裏に講演が終了した。


    本文執筆・写真提供は
    日本工学アカデミー会員
 臼田 誠次郎氏