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大学・高専非常勤講師事例

講師事例 省エネルギー技術
IEEJプロフェッショナル 寺嶋正之
   IEEJプロフェッショナルとして実施した電気工学学生向けの講義「省エネルギー技術」について紹介します。この講義は電気学会の寄付講義の一環です。

 図1は地球環境問題に関し国際エネルギー機関(IEA)が示した温室効果ガス(GHG)削減(CO2に換算)のシナリオで、同図中Reference Scenarioは各国政府が現在の政策や対策を全く変えなかった場合の全世界でのGHG排出量推定で、同図450 Scenarioとは大気中のGHGを現在各国間で合意されつつある450ppmに押さえこむシナリオである。2030年にはリファレンスシナリオに対してGHG13.8Gt削減しなければならない。削減の対策は、①省エネルギー57%、②再生可能エネルギー&バイオ燃料23%、③原子力10%、④CCSCO2の回収・貯留10%、排出削減には省エネが最も効果的で6割近くを占めている。

 こうしたことを背景に省エネの重要性は強く認識され、電気学会に寄付講義の申込みがあり、企業出身の筆者が非常勤講師をお引き受けした。対象は高専電気工学科4年生、授業時間は90分×15回である。

 講義の目的:

①「電気工学」と「地球環境・エネルギー」との深い関わりを学び、 地球環境対策としてエネルギー利用面(消費面)からの省エネルギー技術を理解する。

②省エネ技術の多くは,電気回路や電磁気の原理による省電力化・高効率化であり,それらの具体的な実施策を学ぶと同時に、高専で学習する電気技術を社会の実務にどのように応用するかを理解する。

③再生可能エネルギーの概要を学ぶ。

 授業項目・内容

1 地球温暖化とエネルギー問題

 ・地球環境問題と脱温暖化への取り組み ・日本のエネルギー及び環境問題と取り組み

2 さまざまなエネルギーの形

 ・エネルギーの形態 ・動力の基礎

3 動力の省エネを担う電動機技術

 ・電動機の特性 ・電動機の制御

4 電動力応用

 ・電動力応用例と必要なエネルギー ・電動力応用の省エネルギー

5 熱計算・電気加熱

6 空気調和・給湯、ヒートポンプとその応用

7 照明

8 再生可能エネルギー

 上記の項目から分かるように範囲が広く適当な教科書も無い、また現在急速に発展している技術でありできるだけ最新の技術を紹介したいため、授業はプリントを作り配布した。また、できるだけ具体例を示し演習を多くし理解を深めるよう努めた。本講義が受講学生の将来に役立つことを念じている。