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定例会講演概要

IEEJプロフェッショナル 吉田昭太郎
 

電力ケーブルの技術開発は、低損失化、コンパクト化、長尺化、高信頼度化、高品質化など電力会社の明確なニーズと主導のもとに進められた。60kV級以上電力ケーブルであるOFケーブル(oil-filled cable)POFケーブル(pipe type oil filled cable)およびCVケーブル(cross linked polyethylene insulatedcable)について技術の変遷を纏めた。電力ケーブルの技術開発は、主に高電圧化および大電流化に対する材料とその構造の改善の歴史であり、いかにしてコンパクト化ができ、低損失化できるかにある。

ケーブルと接続箱の技術発展に主眼に置き、3期に分類し発展過程を纏めた。

模倣技術による国産化            1925年頃~1950年台後半まで

1928年にイタリア・ピレリー社からOFケーブルの技術導入をした。日本最初のOFケーブルは、1930年に日本電力()尾久送電所向けに布設された66kV鉛被OFケーブルである。OFケーブルの絶縁性能は既に先行していたヨーロッパメーカーと遜色ないものであった。1951年以降産業の復興とともに66kV以上OFケーブル線路は急増した。コンパクト化のため66kV 3OFケーブルが実用化された。1955年頃には日本の技術は独り立ちできた。

海外技術をベースとした国産化技術の発展   1950年後半~1980年頃まで

 フランスのリヨン社から薄紙絶縁技術を導入し、1960年に287.5kV OFケーブル線路を建設した。その後、絶縁体の低損失化を図るため脱イオン水洗紙を実用化するなど国産技術による高電圧化が進められた。長距離275kV OFケーブルおよび POFケーブル線路が建設され、更に長距離500kV OFケーブルを目標に日本独自の低損失半合成紙の開発が進められた。

架橋ポリエチレン材料自体はアメリカGE社の特許であるが、1960年頃に各社がライセンス契約を結びCVケーブルを商用化した。1964年には70kV CVケーブルが布設された。日本が常に先行してCVケーブルの実用化を進めた。日本独自の乾式架橋製造方式を開発し、併せてトリー現象などの解明を進め、CVケーブルの絶縁性能を著しく向上させた。これらの技術は、世界に先んじた技術であり、超高圧CVケーブルの実用化に貢献した。1979年に世界で初めての275kV CVケーブルが布設された。

日本独自技術で世界トップレベルへ       1980年頃~

 275kV半合成紙OFケーブルを実用化した。世界で初めての酸化第二銅皮膜を用いた素線絶縁導体が開発され、POFケーブルおよびCVケーブルに適用され大電流化を果たした。

 500kV CVケーブルを目指して開発が進められた。絶縁性能において欠陥となる異物混入を阻止するため、架橋ポリエチレン材料から絶縁体押出しまで徹底したクリーン化が進められた。1988年には、発電所の引出し線として500kV CVケーブルが世界で初めて実用化され、1989年には長距離275kV CVケーブル線路が実用化された。

 1990年以降、世界トップレベルの500kV ケーブル技術を確立し、これをベースに大容量線路として、本四連系線500kV 半合成紙絶縁OFケーブル、紀伊水道横断直流500kV海底半合成紙絶縁OFケーブル、新豊洲線500kV CVケーブルが実用化された


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