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定例会講演概要

2013年10月定例会

最近の鉄道分野における国際規格の動向

IEEJプロフェッショナル 長沢広樹
        

1.鉄道分野の概況

  IECには、鉄道分野の専門委員会 TC 9が古くから設置されており、80件以上の規格が作成されてきたが、現在も活発に活動している。一方、ISOにはこれまで鉄道技術の専門委員会がなく、レールや車輪・車軸材料の分科会 TC17/SC15がある他は、乗り心地など30件弱の規格が複数の委員会で分散して作成されてきた。しかし、2012年に鉄道分野の専門委員会TC 269が設置され、本格的な活動が始まろうとしているところである。

  TC9TC269も欧州のメンバ国が多く、日本としては会議での話し合いに注力している状況である。特にTC9では、CENELECから多くの欧州規格が迅速手続きによって提案されている。

2.日本の取り組み状況

  国内では、(公財)鉄道総合技術研究所に鉄道国際規格センターが設けられ、関係する会員各社による支援を受けてIECISOへの対応を行っており、次のような活動を展開している。

  (1)  IECおよびISOの規格審議

  新しいISO TC269設置においては、TC議長を日本で担当している他、TCの運営会議等に積極的な対応を行っている。また、日本からの新たな規格提案や主査の獲得にも取り組んでいる。

  (2)  国際標準化の人材育成

  講演会等の開催や標準化活動に関する表彰制度への候補者の推薦を通して、人材育成が図られている。

  (3)  海外関係者との連係推進

  IECISOの国際幹事等との情報交換や、欧州・北米・アジア地域との連係推進が進められている。特に東南アジアの各国におけるセミナーの開催や情報交換が行われており、アジア地域の連係を目指している。

  なお、鉄道システムの輸出等においては、規格開発と並行して、技術コンサルティングや安全認証の活動も重要であり、国内の施策として進められている。

3.今後の活動に向けて

  国際的な鉄道ニーズはこれからも伸びが期待され、日本が貢献できる部分も少なくないと思われる。幸い、日本の鉄道システムが優れていることは、各国からも高く評価されており、国際標準化活動を通して、日本の鉄道技術を国際的な資料としてまとめることも、意義あるものと思われる。皆様のご支援をお願いしたい。